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『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』(以下『ドラクエ11』)に登場するロウは、主人公の実の祖父という今までのドラクエでは無い位置付けのキャラクターであり、仲間になるユグノア城跡でのイベントは非常にシリアスな感動するものとなっています。ところが様々な場面で露になるエロエピソードを中心に情けない姿を仲間の前で晒すなど、ネタキャラとしての位置付けが強いと感じる方も多いと思います。勿論その事自体はロウが親しみやすい人物である証拠だと感じますし、ロウが嫌い!という方はそんなにいないと思います。けれども他のキャラクターが色々な媒体でその魅力を取り上げられる中、ロウに関しては老人という事もあって人気がいまいち低く、ロウの凄さが紹介されていないなと感じていました。私は今回『ドラクエ11』をプレイしてロウの凄さに驚き、まさに超絶老人だと思いました。今回、今まであまり取り上げられてこなかった、ロウのネタキャラに留まらないその魅力についてご紹介できればと思います。
【ロウの異次元な体力!】
ドラクエの世界は『11』に限らず、10代後半~30代半ばくらいのメンバーが多く、時々子供や中年・老人も加わる事になります。ロウは恐らく『4』のブライと並んで歴代最高齢の仲間キャラクターであり、70歳を超える事がニマ大師から明かされています。冷静に考えて70歳を超えた老人が、若者や壮年に交じって険しい山道やら火山やら氷の国やらを一緒に旅するというのは凄い事だと思います。これはブライも同様ではありますが、ロウがブライと決定的に異なるのは爪を装備した肉弾戦すら行ってしまう事だと思います。武術にもかなり長けている事がマルティナの口からも明かされており、70歳を超えてもなおこれだけの体力や戦闘力を有している事になります。純粋に化け物です…
更に圧巻なのが世界崩壊後の世界での事。色々あってロウは師匠であるニマ大師に会う為、「冥府」へと赴く事になります。この時にロウは吹雪吹き荒れるドゥーランダ山頂に登り、そこにあるお堂で瞑想をする事になります。文字通り骨と皮だけの姿になって…。そしてそこから色々あり最終的には「冥府」でニマ大師と再会し、魔王を倒す為の修行を付けてもらう事になります。ちなみにこの時のまずは最初のメニューとして腕立て伏せ1万回との事!クレイジーです…。そして見事グランドクロスを会得する事になるわけですが、これを70歳を超えた老人が行っているのです。もう凄すぎて何も言葉が出ません…
【ロウの強靭な精神力!】
ロウの凄さの真骨頂とも言えるのが並外れた精神力の強靭さです。まずは本編開始の16年前にユグノア王国を滅ぼされ、愛する娘と娘婿を一度に喪う…。これだけでも常人であれば絶望の底に叩きのめされるでしょうが、ロウは違います。王国滅亡時に共にいた幼いマルティナを連れ、打倒ウルノーガの旅を続けた事は凄過ぎます。その幼いマルティナをしっかりと一人前の人間として育て上げた事も素晴らしい。そして世界滅亡時に再会した孫とも別れ、その生死すら定かでない中、たった一人でも魔王に立ち向かおうと前述した冥府に赴く事になります。ここでは体力的に極限状態に陥るだけでなく、ニマ大師がかけた幻術によって、精神的にも窮地に立たされる事になります。ロウが凄い所はこの精神的な負荷というのが苦しい事や辛い事ではなく、かつて自らが王として慈しんだユグノア城や、娘のエレノアや娘婿のアーウィン・そして本来であればその王子として育ったであろう、幼き孫の姿がありました。きっとこのまま幸せな夢を見たまま天に召されてもおかしくなかったと思います(ユグノア城も娘たちも、そして幼き孫も全ては幻想でしかないのだから…)。けれどもロウはその幸せな幻惑を振り払い、孫はおろか共に旅した仲間達も誰もいないかもしれない、それでも魔王を打倒する為に立ち向かう事になります。こんな事ができるのも、ロウだけではないかなと思います…
【ロウの卓越した頭脳!】
最後にロウの卓越したその頭脳についてです。ロウは作中でも「賢王」の名で呼ばれる程の人物であり、王として在位中にはその異名は他国にまで広く知れ渡っていました。例えば先ほどの精神力の項目内で述べた、在りし日のユグノア王国の中で(幻術ですが…)ロウに知恵を求めるシーンが登場します。しかも遠く離れたクレイモラン王国からわざわざ。いかにロウが遠い異国からも声望を集めていたかが分かります。また世界崩壊後に勇者の星が落ちる事態に直面した時、勇者の星に書かれた古代文字を解読した事もその卓越した頭脳を証明していると思います。戦闘面で見ても賢者らしく攻撃・回復・補助とバランス良く高水準な魔法を習得してゆきます。攻撃ではヒャド系やドルマ系、回復ではザオリクやベホマラー・補助ではラリホーマやフバーハなど。まさに「賢王」と呼ぶにふさわしい人物であると思います。
【まとめ】
以上ロウの凄い点について纏めてみました。ロウはその見た目や言動・しぐさからネタ扱いされるキャラクターではありますが、それはこのような超人じみたキャラクターを良い意味で緩和させるような設定になっていると思います。強くて優しく、それでいて自らの意思を貫く逞しさを兼ね備える。こんな老人になってみたいな。

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